設置する場所、使う時間、使う人を選ばない一体型ボディ
FV10iの最大の特長は、その斬新なワンボックス・デザインにあります。多様な装置と複雑なセッティングが必要だったレーザー顕微鏡のイメージを刷新し、ダイオードレーザーやインキュベーターなど全ての機能を内蔵した一体型ボディを実現しました。さらにコンパクトなだけでなく、除振機能や暗室不要の遮光カバーを装備するなど、使い勝手を徹底的に追求。専用の部屋を用意することなく、研究室内に容易に設置できます。それは、まさに分析装置と同じ感覚です。FV10iが人と研究とレーザー顕微鏡の関係を一新します。
1. 暗室機能 | ボディと遮光カバーを一体化。従来のレーザー顕微鏡のように暗室を必要とせず、研究室で手軽に使用できます。 |
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2. スキャンユニット | 蛍光色素に合わせて条件を自動設定する検出器をスキャンユニットに搭載。各蛍光色素に最適な条件でイメージングできます。 |
3. 顕微鏡機能 | 対物レンズ、ステージ、フォーカス機能をボディに内蔵。10xおよび60xの対物レンズとズームにより、10~600xで撮影できます。 |
4. 除振機能 | 除振機能を備えたインシュレータを内蔵。除振台が不要で、研究室のデスクにそのまま設置できます。 |
5. レーザーコンバイナー | 4本のレーザーユニットを装備。すべてコンパクトで長寿命・省電力のダイオードレーザーを採用しています。 |
4波長のダイオードレーザーを搭載
4つ (405/473/559/635nm) のレーザーを搭載しており、最大4色までの多重染色標本のイメージングが可能。レーザーユニットには、すべて長寿命でメンテナンス不要、省電力のダイオードレーザーを採用しており、駆動音も静かです。
検出器に新開発の分光方式を採用
検出部は、蛍光2チャンネル、透過位相差1チャンネル。蛍光チャンネルには、グレーティング、ビーム・スプリッター、スリットで構成される新開発の分光方式を採用しています。また、蛍光色素の特性に合わせて最適な波長幅が自動設定される、可変バリアフィルター機能を搭載しています。
2つのシーケンシャルモード
ラインシーケンシャルとフレームシーケンシャルのモードを搭載。蛍光色素2色までのイメージングではクロストークのないラインシーケンシャルで、また、3・4色ではバーチャルチャンネル機能によるフレームシーケンシャルで画像を取得できます。
10x・60x 2つの対物レンズを装備
10xおよび60xの2つの対物レンズを装備。ズーム機構により、10~600xまで連続的に倍率を変えられます。標本のサイズなどに応じた最適のイメージング条件を効率よく設定できます。
簡易インキュベーターを内蔵
簡易インキュベーターを内蔵しており、面倒なセットアップも必要なく、容易にライブセルのタイムラプスイメージングを行えます。培養容器内の環境を温度37℃、湿度90%、CO2濃度5%*に保持。最長3日間のタイムラプス撮影をサポートします。
*インキュベーター内をCO2濃度5%に保持するには、6%CO2ガスを流量150ml/minで流入してください。
専用培養ポッドを付属
φ35mmガラスボトムディッシュ対応の専用培養ポッドを付属。培養液の環流や、タイムラプス中の薬液の投与が可能です。また、オートクレーブ滅菌に対応しています。
安定したタイムラプスイメージング
インキュベーターだけでなく周辺内部の空間も37℃に保持。長時間にわたって安定した状態の細胞のタイムラプス撮影が可能です。システムの設置環境温度が変動すると、フォーカスがドリフトすることがあります。
水浸対物レンズに水を自動補給
新開発の自動水補給システムにより、水浸対物レンズの先端に自動的に水を補給します。長時間タイムラプスでも、レンズ先端部の水の乾きに気を配ることなく安心してイメージングを行えます。また、対物レンズの切り替え時にも自動的に水を補給します。
カバーガラス厚を検知し、補正環を自動調整
水浸対物レンズ使用時は、カバーガラスの厚みを検知し補正環を自動的に調節する機能を備えており、いつでも最良の状態でイメージングできます。
マルチエリアタイムラプスに対応
高精度な電動ステージを備えており、マルチエリアタイムラプスによる効率的なイメージングを行えます。1ディッシュ (ウェル) で10カ所のポイント指定が可能。たとえばφ35mmガラスボトムディッシュの場合、3つのディッシュが装着できるため、最大で30カ所の撮影が行えます。
使う人それぞれに、ストレスのない快適な操作環境
標本をステージにセットしてカバーを閉じる。FV10i本体で行う作業はわずかこれだけで完了です。後はすべて洗練された画面でわかりやすく、効率よく操作できます。たとえば、これまで経験と専門知識が必要だった撮影ポイント選択も、新開発のイメージマッピング機能で誰でも簡単&スピーディ。さらに、オートフォーカスや自動明るさ調整など、オリンパスならではの先進のオートマティック機能によって、標本や撮影モードに合わせて撮影条件が設定されます。また、撮影の手順がひと目でわかるナビゲーション機能を装備。レーザー顕微鏡を初めて使う人にもストレスのない快適な操作環境を提供します。
セッティング
標本をセットしたら、蛍光色素を選択。わずかそれだけの操作で、最適な撮影条件が自動的に設定されます。
イメージマッピング機能
<Start>ボタンをクリックするだけで、自動的に標本のマップイメージを作成。誰でも簡単に撮影したいポイントを見つけられます。
撮影機能
ズーミングやポイントの移動など、洗練された画面操作で撮影ポイントの設定もスピーディ。後はボタンをクリックするだけで撮影完了です。
標本のセッティングが完了したら、「Acquire Map Image」画面で<Start>ボタンをクリック。すると、自動的に標本のマップイメージの作成が始まります。それはあたかも細胞を鳥瞰するかのような感覚。誰でも容易にスピーディに、撮影したいエリアを見つけ出すことができます。
マッピングエリア選択
φ35mmガラスボトムディッシュ、スライドガラスなど、 初めての人でも容易に撮影ポイントを見つけられます。セッティングした標本のタイプに応じてエリアを表示。スキャニングしたいエリアをクリックすると、そのエリアがマップイメージ画面にプレビューされます。また、エリアの切り替えもクリックで容易に操作できます。
蛍光色素切替
蛍光色素ごとにマップイメージ画面の表示を切り替えられます。重ね合わせて表示することも可能です。
キャニングモード設定
目的に応じて、次の2つのスキャニングモードを選択できます。
Automatic
中心から渦巻状に自動でマップイメージを作成。初めての人でも容易に撮影ポイントを見つけられます。
Manual
マップの中から見たいポイントをランダムに選択できます。
最大9x9エリアから選択が可能。あらかじめポイントを絞り込んだ効率のよい選択が可能です。
任意の標本マップを自動生成
セットされた標本ホルダを自動検出し、任意のマップ画像を作成します。高速モード (低解像) でマップイメージを作成することも可能です。
マップイメージとライブイメージの2つの画面を使って、撮影したいポイントを素早く絞り込めます。ズーミングやポイントの移動なども直感的な操作で簡単&スピーディ。さらに、初めてレーザー顕微鏡を使う人でもスムーズに撮影を完了できる、使い勝手のよいナビゲーション機能を装備しています。
撮影モード選択 |
タイムラプス、Zスタック、マルチエリアなど、5タイプの撮影モードを選択できます。
タイムラプス 指定したポイントをあらかじめ設定した時間間隔で連続的に撮影します。 Zスタック 焦点位置を変えて連続的に撮影。3次元の画像を取得できます。 Zスタック- タイムラプス タイムラプスとZスタックを合わせた撮影が可能です。 マルチエリア- タイムラプス タイムラプス撮影を、点在する複数のポイントで自動的に行います。 マルチエリア - Zスタック- タイムラプス 3つの機能を合わせた撮影を実行します。 |
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マルチエリア選択 | マルチエリアモード時に撮影するエリアを登録。エリアごとに適切な撮影条件を設定できます。 |
マップイメージ画面 | 「Acquire Map Image」で取得した画像が表示されます。この画面を使って撮影ポイントを絞り込みます。 |
コントロール画面 |
各種コントローラーを操作して詳細な撮影条件を設定することも可能です。主に以下の設定が行えます。
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ライブイメージ画面 | マップイメージ画面で絞り込んだポイントを表示。さらに移動やズーミングを行って撮影ポイントを決定します。蛍光色素別など表示をさまざまに切り替えることもできます。 |
初めての人も安心なナビゲーション機能を備えています
「Navigation」の<Start>ボタンをクリックすると、操作の手順が示され、それとともに次に操作するボタンがハイライトで点滅表示されます。ナビゲーションに従って操作するだけでスムーズに撮影を完了できます。
貼り合わせ機能
隣り合った領域を撮影することにより、高解像で広い領域の画像取得が可能です。またスライドガラス全体のマップイメージも作成可能です。
ソフトウェア ZDC 機能 (FV10i-LIV Only)
タイムラプス中のZドリフト補正機能 (ソフトウェア ZDC 機能) により、温度変化のある環境下などでの長時間タイムラプス中のZドリフトをさらに軽減できます。
オリンパスオリジナルの編集・解析用ソフトウェアを付属しています。FV10iで撮影した画像を、さまざまに編集・解析できます。
1. 3D表示機能 | 3D表示機能として、Alpha Blend法とMaximum Intensity Projection法をサポート。また、3D画像の角度を自由に変えたり、任意の箇所で断面表示したり、多彩な機能を備えています。 | ||||||||
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2. 容易な画像検索 | メイン画面と同時にサムネイル画面の表示が可能。過去のデータなどを簡単に探すことができます。 | ||||||||
3. 2D解析ツール |
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4. データマネージャー | サムネイルや各種ファイル情報の表示を効率よく行えます。 |
ファイル I/O
各種条件と画像を同時に保存するOIF (Olympus Image Format) を採用。また、TIFFやBMP、JPEGなど、互換性の高い各種フォーマットにも対応しています。
各種の標本ホルダを付属
φ35mmガラスボトムディッシュ、スライドガラス、カバーガラスチャンバ (8ウェルタイプ) 、ウェルスライドに対応した標本ホルダを付属しています。また、φ35mmガラスボトムディッシュ利用時はプラスティックの蓋をしたまま観察が可能で、コンタミネーションなどの心配もありません。
隣り合った領域の画像の取得
2x2、3x3の隣り合った画像のイメージングが可能です。隣り合った領域を撮影することにより、時間とともに移動する細胞が視野から外れることを防ぎます。
大容量データも安心のHDDレコーディング
HDD (ハードディスク) レコーディング機能を備えており、撮影した画像を自動的にHDDに保存できます。大容量データとなる長時間タイムラプスなどの場合でも安心です。また、イメージングの最中に、すでに撮影した映像の編集・解析を行えます。保存先にネットワークで接続した外部のHDDを指定することも可能で、イメージング中に離れた場所にあるPCで再生できます。