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60倍低色収差対物レンズPLAPON60XOSC2を用いた脳組織での多重蛍光抗体解析


4重蛍光染色標本におけるコロカライゼーション解析

生体組織や細胞内における分子の局在を可視化する方法として、蛍光色素で分子を標識してから共焦点顕微鏡のような光学顕微鏡で蛍光画像を取得するということが一般的な手法として確立されています。一方、同一標本での複数分子同士の局在を可視化する場合は、顕微鏡対物レンズの色収差によりUV領域と近赤外領域で励起する蛍光色素を一緒に用いることが難しく、観察対象によっては最大でも3つの蛍光色素しか使用できないケースが多くあります。
オリンパスでは、UV領域や近赤外領域の蛍光で標識されたミクロな分子同士でも色収差による色ズレがほとんど無く、正確に局在関係を可視化できる油浸の60倍低色収差油浸対物レンズPLAPON60XOSCをライナップしています。60倍低色収差油浸対物レンズPLAPON60XOSCを用いることで、4重染色された標本でも色収差による色ズレを最小に抑え、正確な位置関係のマルチカラー蛍光画像を取得することができます。
ここでは、60倍低色収差対物レンズPLAPON60XOSC2を用いて、4種類の蛍光抗体で標識された同一組織標本での分子の局在関係を正確にコロカライゼーション解析した一例をご紹介させていただきます。

PLAPON60XOSCとUPLSAPO60XOの性能比較

            PLAPON60×OSC                     UPLSAPO60×O
軸上縦色収差(Z方向) PSF-蛍光ビーズ(405nm, 633nm)で比較
軸外(FN6) 横色収差(XY方向)

          PSF-蛍光ビーズ(405nm, 633nm)で比較

60倍低色収差対物レンズPLAPON60XOSC2アプリケーション
脳組織での多重蛍光抗体解析

複数の機能分子や細胞マーカーに対する多重蛍光抗体解析は、その分子の詳細な細胞発現情報と細胞下レベルでの局在情報を与え、関連する機能分子の同一コンパートメントにおける共存・非共存関係から相互の空間的距離情報までを詳らかにすることができます。北海道大学大学院医学研究科 解剖学講座 解剖発生学分野 渡辺 雅彦博士らはこの多重蛍光解析法を用いて2015年3月に米国科学誌「The Journal of Neuroscience」で論文発表されました。
その一連の研究成果の中において、以下画像Fig1、Fig2のように4種類の蛍光抗体で標識した同一脳組織標本での分子の局在関係を油浸の60倍低色収差対物レンズPLAPON60XOSCを用いて可視化、特にUV領域405nmで励起した分子と近赤外領域647nmで励起した分子の位置関係を正確に画像取得することができました。

脳組織での多重蛍光抗体解析 画像例①
Fig1. 脳組織での多重蛍光抗体解析 画像例①

VIAAT staining (Alexa Fluor405, 青)
CB1 staining (Alexa Fluor488, 緑)
VGluT3 staining (Cy3, 赤)
DGLα staining (Alexa Fluor647, 白)

マウス扁桃体基底核錐体細胞(星印)の細胞体周囲には、カンナビノイドの合成酵素DGLa(白)と受容体CB1(緑)が密集し、特異な陥入構造を有する陥入型シナプスが形成されている(矢頭)。陥入型シナプスは、小胞膜抑制性アミノ酸トランスポーターVIAAT(青)と小胞膜グルタミン酸トランスポーターVGluT3(赤)を発現することから、抑制性伝達物質GABAと興奮性伝達物質グルタミン酸の両方の神経化学特性を有していることがわかる。一方、DGLaが密集しないCB1陽性・VIAAT陽性の通常の抑制性シナプスはVGluT3を発現せず、GABA単独の神経化学特性を持つ。スケールは5μm。

 

脳組織での多重蛍光抗体解析 画像例②
Fig2. 脳組織での多重蛍光抗体解析 画像例②

VIAAT staining (Alexa Fluor405, 青)
CB1 staining (Alexa Fluor488, 緑)
VIP staining (Cy3, 赤)
DGLα staining (Alexa Fluor647, 白)

カンナビノイド受容体CB1を発現し錐体細胞の細胞体を支配するGABA作動性バスケット細胞には、コレシストキニン(CCK)を発現するサブタイプと腸管作動性ポリペプチド(VIP)を発現するサブタイプがある。この4重蛍光染色により、VIP陽性の神経終末(赤)はCB1(緑)とVIAAT(青)を強く発現するが、DGLa(白)の集積は観察されいことから、陥入型シナプスの形成には関与していないことがわかる。スケールは5μm。



PLAPON60×OSC顕微鏡システム;
共焦点レーザ走査型顕微鏡 FV1200(励起波長: 405nm, 473nm, 559 nm, 647nm)
60倍低色収差対物レンズ PLAPON60XOSC2 (NA: 1.4(油浸), W.D.: 0.12mm, 色収差補正範囲: 405 ~650nm)
画像データのご提供;
渡辺 雅彦先生
北海道大学大学院医学研究科 解剖発生学分野

参照論文;
J Neurosci. 2015 Mar 11;35(10):4215-28. doi: 10.1523/JNEUROSCI.4681-14.2015.

コロカライゼーション解析の信頼性を向上する低色収差対物レンズPLAPON60XOSC2

低色収差対物レンズPLAPON60XOSC2は405~650nmまでの縦横の色収差を極小化した油浸対物レンズです。位置精度に優れた信頼性のある画像取得やコローカリゼーション画像の取得/計測が可能です。また、近赤外の色収差も850nmまで焦点深度内に補正されており、近赤外蛍光観察にも最適です。

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  • 405nmから650nmの波長範囲で0.1μm以下に軸上色収差が抑えられ、対物レンズごとに色収差の実測データを添付。
  • 厳密な共局在の解析や超解像観察に有効。

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