FV3000を用いた脛骨骨端内微細構造の高精細画像取得
微細で複雑な組織構造を褪色を抑えながら撮影
膝関節部の骨端における血管と痛覚神経は、非常に狭い領域にその複雑な構造が存在していることから画像化が困難でした。そこで、レーザーパワーを低減させダメージや褪色を防ぎながら画像取得を行うためにFV3000を使用することで、微細な構造を明るく高解像に撮影することに成功、膝間接周辺の痛覚神経が脛骨端部に存在する小孔の中を血管と絡み合いながら貫入している様子を三次元的に捉えることができました。
図1:脛骨の端部にある小孔を、血管と絡み合いながら貫入している痛覚神経(3D画像)
痛覚神経(EYFP, シアン)、血管(AlexaFluor 594,マゼンタ)、核(DAPI, オレンジ)
撮影条件
顕微鏡:FV3000
対物レンズ:UPLSAPO100XO
脛骨骨端内の血管・神経形成の様子が明らかに
膝関節部への血管および痛覚神経の投射を理解することは、膝関節症における痛みの緩和等に重要ですが、これまで脛骨骨端内に血管や神経がどのように形成されているのか詳しくわかっていませんでした。今回初めてその様子を明らかにすることができました。
研究の結果、膝関節周辺の痛覚神経は半月板周囲に豊富に存在するだけでなく脛骨骨端内部へも投射していることと、骨端内部の痛覚神経が脛骨の端部に存在する小孔の中を血管と絡み合いながら貫入していることがわかりました。
関連論文: Koichi Matsuo, et al“. Innervation of the tibial epiphysis through the intercondylar foramen.” Bone, 120(2019)297-304

図2:神経孔と血管孔の様子
実験を可能にしたFV3000の技術
高感度TruSpectral分光システムで光毒性を抑えたイメージングが実現
透過型回折格子を採用した新たな分光システム「TruSpectral」により、従来の反射型回折格子に比べて40%以上効率よく蛍光シグナルを回収できます。これにより、レーザーパワーを低く抑えることができ、毒性を抑えたイメージングが可能となりました。
暗い蛍光サンプルでも高S/Nな画像取得が可能
最大4チャンネルまで搭載可能なGaAsPPMTを使うことで最大量子効率は45%。従来では検出できなかった微弱な蛍光シグナルを捉えることが可能になります。さらにペルチェ冷却により20%のノイズ低減を達成。これにより、弱い励起光でも高S/Nな画像を取得できます。
河合 克宏先生からのコメント
 | 今回の撮影部位は、小さい領域に神経突起などの微細な構造が立体的に入り組んで存在しているため、NAの高い100倍オイル対物レンズで高精細画像を取得したかったのですが、その半面レーザーパワーを集中させるため退色が心配でした。しかし、FV3000の高感度性能によってレーザーパワーを抑えることができ、50枚の光学切片画像を0.45μmという細かい間隔で高精細に取得することができました。 河合克宏先生 慶應義塾大学医学部 細胞組織学研究室 助教 本イメージング実験担当者 |
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