スフェロイドの内部を標的とする抗がん剤の薬効解析
細胞イメージング解析システムの使用と組み合わせた蛍光画像の解析により、スフェロイド内の低酸素領域を標的とした化合物の特性を明らかにすることができます。
目的
腫瘍組織内の細胞不均一性は、がんの進行、血管形成、薬剤耐性などの問題と密接に関係しています。そのため、細胞不均一性は、医薬品開発において重要な要素になりつつあります。In
vitroがんスフェロイドモデルは、生体組織内の固形腫瘍の微小環境を再現できるため、がん細胞における不均一性の解析に役立つツールになることが期待されています。細胞イメージング解析システムは、共焦点蛍光観察から得られた画像データを定量的に解析します。本研究では、スフェロイドサイズとスフェロイド内の微小環境を視覚化することによって、薬剤の細胞毒性を定量的に評価しました。
サンプルの作製
PrimeSurface®96Uプレート(住友ベークライト株式会社)を使用して、がんスフェロイド(HT-29)を作製しました。システムによる測定が実施される1日前に、Hoechst
33342とMARプローブ(五稜化薬)をスフェロイドに添加しました。その後で、スフェロイドのサイズと低酸素領域を視覚化しました。
結論
さまざまな数のHT-29細胞で構成されるスフェロイドの最大強度投影像によれば、スフェロイドサイズが大きくなるほど低酸素領域が増大しました(図1)。大きい低酸素領域を有するスフェロイドをイリノテカン(トポイソメラーゼ阻害剤)で処理したところ、スフェロイドサイズと低酸素領域の両方が同時に縮小されました(図2
(a)および(b))。一方、ロテノン(ミトコンドリアの電子伝達鎖の阻害剤)で処理したところ、低酸素領域のみが縮小され、スフェロイドサイズは縮小されませんでした(図2
(c)および(d))。これらの結果から、システムを使用することにより、がん細胞の不均一性に対する薬剤のさまざまな効果を定量的に評価できることが分かりました。
PrimeSurfaceは、住友ベークライト株式会社の登録商標です。
Olympusはオリンパス株式会社の登録商標であり、NoviSightおよびInsightful Analysis、Intelligent Answersはオリンパス株式会社の商標です。
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