スフェロイドサイズの定量的評価
システムを用いた明視野画像解析に基づいてスフェロイドの断面積を定量化することにより、抗がん剤5-FUの効能を評価しました。
目的
近年、3次元腫瘍スフェロイドは、固形腫瘍の生体外モデルとして有用であると考えられています。抗がん剤処理によって誘発される3次元スフェロイドのサイズの変化は、抗がん剤が細胞の増殖を阻害する能力と強い関係がある指標です。顕微鏡をシステムと組み合わせて使用して、スフェロイドサイズの変化について明視野画像解析を行うことにより、抗がん剤の効能を定量的かつ効率的に評価することができます。本研究では、5-FUによって誘発されるHT-29の3次元スフェロイドのサイズの変化を定量的に評価しました。
サンプルの作製
HT-29の細胞懸濁液を、1ウェル当たりの細胞数が750個になるようにPrimeSurface®96Uプレート(住友ベークライト株式会社)に播種して、スフェロイドを作製しました。細胞培養の開始から4日後に、3次元スフェロイドに5-FUを添加して、さらに4日間にわたって培養を続けました。同じ条件のもとで、細胞接着性を有するマイクロプレートでHT-29の2次元単層を作製し、その2次元単層に5-FUを添加しました。
結論
HT-29で構成された3次元スフェロイドまたは2次元単層の画像の取得と解析
システムを使用して、HT-29の3次元スフェロイドが入ったマイクロプレートの明視野画像を取得しました(図1)。スフェロイド1個に対し、赤道面を含む複数枚の画像を取得してから、5-FUの各濃度における平均強度投影と統計的解析を行いました。5-FU濃度が上がるにつれて、HT-29の3次元スフェロイドの断面積が減少し、これにより、5-FUがスフェロイド内での細胞の増殖を阻害することが示されました(図2)。Hoechst
33342で染色したHT-29の2次元単層については、システムを用いて取得した蛍光画像に基づいて、接着面積が算出されました。5-FU濃度が上がるにつれて、HT-29の2次元単層の接着面積が減少しました(図2)。これらの結果から、システムを使用することにより、3次元スフェロイドおよび2次元単層における薬効の評価が可能であることが分かりました。
PrimeSurfaceは、住友ベークライト株式会社の登録商標です。
Olympusはオリンパス株式会社の登録商標であり、NoviSightおよびInsightful Analysis、Intelligent Answersはオリンパス株式会社の商標です。
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