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自動スライドスキャナーがCOVID-19研究を促進

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COVID-19研究

高解像度のホールスライド画像は、組織や細胞の感染をつぶさに研究でき、研究者たちがCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の人体への影響をよりよく理解するための貴重なツールとなっています。

しかし、手動のスライドスキャンは処理速度が遅く、継続するCOVID-19の問題に迅速に対処するには、高速で結果を得ることが求められます。 結果として、多くの研究者は自動スライドスキャナーを使用するようになりました。 これらのシステムが持つ重要な利点と、COVID-19研究における使用方法について見ていきましょう。

COVID-19研究における自動スライドスキャナーの5つの重要な利点

COVID-19研究によく使用されるシステムの1つが、SLIDEVIEW™ VS200リサーチスライドスキャナーです。 高いサンプル容量と高速スキャンを誇るこのシステムを使用すれば、多数のスライドから大量のデータを短時間で取得できます。

COVID-19研究用のホールスライドイメージングシステム

ほかにも以下の利点があります。

1. 自動サンプル検出

サンプルがコントラストに基づいて自動的に検出されると、正確なオートフォーカス機能を使用して、サンプル領域全体が高倍率でスキャンされます。 このプロセスでは背景のスキャンに時間を無駄にしないため、スキャン速度が速くなります。

2. 定量化のための高解像度画像

このシステムには、高性能のX Line™対物レンズ、対物レンズに最適化された光路、染色標本の色を正確に再現するTrue Color LED、均一な照明が装備されています。 これらの機能によって、標本全体の大きな継ぎ目のない貼り合わせ画像を取得できます。

3. イマージョンオイルの自動供給機

ウイルスは非常に小さいため、イマージョンオイルを使用してスライドをスキャンすることで高解像度(60Xなど)の画像が得ることができ、感染の可視化に役立ちます。 VS200スキャナーでは、正確な量のオイルがスキャン対象領域に自動的に加えられます。 仕組みについては、ブログ油浸対物レンズを用いたホールスライドイメージングをご覧ください。

4. 柔軟性のあるイメージングモード

このスキャナーには、明視野、蛍光、暗視野、位相差、偏光の5つのイメージングモードがあります。 用途に最適なモードを選択し組み合わせることもできます。 例えば、明視野で組織を可視化するとともに、COVID RNAのラベリングに蛍光を使用できます。

5. スキャンプロジェクト

多数のスライドをスキャンする時間を短縮するために、設定をスキャンプロジェクトに保存し、追加のサンプルスキャンを実行する際に同じプロジェクトを使用できます。 この機能が特に便利なのは、最適化する設定がたくさんある蛍光イメージングの場合です。


自動スライドスキャナーを使用したCOVID-19研究の例

VS200スライドスキャナーは、細胞や組織のCOVID-19感染を研究するための強力なイメージング機器であることが明らかになっています。 このシステムを使用して、さまざまな条件下で採取された感染対象(ヒトやマウス)の組織切片から、肺損傷を可視化および評価 できます。 細胞や組織内のCOVID-19感染の特定・定量化にも使用できます。

例1:COVID-19患者の肺切片のイメージング

一例として、Si Wang氏他は、トランスクリプトミクス、プロテオミクス、病理組織学のテクノロジーを組み合わせて、COVID-19患者の肺について研究しました。 研究結果は、肺で発生した変化(老化、炎症、アポトーシス、凝固、線維症など)を、内在する細胞機構や分子機構に結び付けます。 これによって、COVID-19におけるバイオマーカーの同定と治療法の開発が促進されます。

研究者たちはVS200スライドスキャナーを使用して肺切片の画像を取得し、画像に対する免疫組織解析を行いました。 論文内の図6は、マクロファージマーカーCD68が、対照群とCOVID-19群の両者に対してラベリングされたことを示しています。 COVID-19群には多数のCD68陽性細胞が見られ、COVID-19患者の肺の免疫細胞が浸潤していることを示しています。

例2:COVID-19感染マウスの肺組織のイメージング

別の研究では、Sarah R. Leist氏他が、標準的な実験用マウスにおける重症のCOVID-19について多面的に研究しました。 研究者たちはVS200スキャナーを使用して、COVID-19感染後のさまざまな日数を経たマウス肺組織の画像を取得し、1日ごとの肺の損傷を評価することができました。 年齢の異なるマウスや、ワクチン接種の有無による損傷度の比較も行いました。 このモデルにより、マウスモデルを使用した重症度に関するさらなるCOVID-19研究が促進されています。

研究では、組織切片に対してRNAscope in situハイブリダイゼーション解析を行いました。 in situハイブリダイゼーション(ISH)とは、ラベリングした相補的DNA、RNA、または修飾核酸の鎖を使用して、組織の一部または切片内にある特定のDNAまたはRNA配列を突き止める、ハイブリダイゼーション法の一種です。 RNA ISHを用いて、組織切片、細胞、またはホールマウント内のRNA(mRNAとmiRNA)を測定および特定します。 研究では、バーチャルスライド画像によって、組織切片内の感染を測定およびマッピングすることができました。

例3:ヒト口腔組織切片のイメージング

Ni Huang氏等による別の研究では、口腔と唾液のCOVID-19感染の研究にVS200スライドスキャナーが使用されました。 研究者たちは、高解像度の油浸対物レンズ(60X UPlanXApo、1.42 NA)を内蔵の自動オイル供給機とともに使用して、ヒト口腔組織のRNAscope in situハイブリダイゼーションサンプルをスキャンしました。 自動オイル供給機のおかげで、研究に必要な大量の高解像度組織画像を迅速にスキャンすることができました。

COVID-19研究用の強力なホールスライドイメージングシステム

以上の研究で示されたように、COVID-19の研究者たちはVS200スライドスキャナーを使用して、定量化、解析、発表のために組織や細胞の高品質画像を迅速に取得することができます。 よく使用される機能の詳細は、ブログ記事リサーチスライドスキャナーVS200を研究に役立てる5つの方法をご覧ください。

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デジタルスライドスキャンシステム部門、アプリケーションスペシャリスト

Wei Juan Wong氏は、Evidentでデジタルスライドスキャンシステムのアプリケーションスペシャリストを務めています。シンガポールのプロダクトスペシャリストとして当社に加わり、東南アジア地域で、SLIDEVIEW™ VS200リサーチスライドスキャナーなどの広視野顕微鏡を使用するお客様をサポートしました。その後ドイツに移り、EVIDENT Technology Center Europeにアプリケーションスペシャリストとして勤務し、世界中のお客様にアプリケーションとマーケティングのサポートを提供しています。物理学の学位を取得し、生物物理学研究室と顕微鏡法コア施設に勤務した経験があります。

2022年2月24日
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