新しい年が始まりました。北米はまだ冬の空気に包まれていますが、私たちのインスタグラムのフィードには、植物が元気に息づいています。今月の上位人気の画像にはシアノバクテリア(藍藻)や植物、花々の拡大画像などが見られ、春の訪れが待たれます。
この画像は植物の気孔を撮影したものです。葉や茎、その他の部位の表面にある小さな気孔は、ガス交換に使われます。葉の大部分は気孔で覆われ、その気孔によって植物は光合成に使用する二酸化炭素を取り込むことができます。光合成によって生まれた酸素は、気孔を通して大気中に排出されます。
2019年度Image of the Year応募作。オリンパスCX23顕微鏡で撮影されました。画像提供:Eva Petrovova。
この写真は、Gloeotrichia echinulateという藍藻の2つのコロニーを撮影したものです。Gloeotrichia echinulateは、淡水の池や湖でよく見られる藍藻の一種で、富栄養化した湖に大量発生することで知られる厄介者です。その細胞は、ミクロシスチン(肝毒性)やリポ多糖(皮膚刺激性)を生成でき、有害で、致死的になる場合もあります。家畜や犬、そして人間が、この藍藻で汚染された水を飲んで肝臓に損傷を受けた記録が多く残されています。
この標本は、藻類の大量発生に見舞われた、地元のマリーナで採取されました。撮影には暗視野照明が用いられており、スライドとカバーガラスとの間に隙間を設け、標本の過度な圧迫を避けて球形を保つように工夫されています。
説明文および画像提供:Håkan Kvarnström。
これらの画像は、 イグサの標本を撮影したものです。イグサは、湿地に生息する、草に似た植物の何種類かを総称する一般的な名称です。このイグサの標本は、アイルランドのダブリンにある国立植物園の池の土手で採取されました。画像では、この植物の20ミクロンの切片の拡大像を見ることができます。
暗視野検鏡法を使用して撮影されました。画像提供:Karl Gaff。
この雄しべの拡大画像は、花粉の付いたカリステモンの花葯を撮影したものです。カリステモンは、フトモモ科の低木に属し、オーストラリアの固有種ですが、他の多くの地域でも広く栽培されています。花の外観がブラシに似ていることから「ブラシノキ」とも呼ばれます。
2019年度Image of the Year応募作。画像提供:Leonardo Capradossi。
藍藻が地球を支配した時代もありました。藍藻は、少なくとも40億年前から地球上に存在しています。その頃は、大気中に酸素はほとんどありませんでした。時間の経過とともに、藍藻は、光合成を通して太陽光からエネルギーを取り込み、そのエネルギーを使って水と二酸化炭素から糖を産生する独自の能力を身に付けました。排出された酸素によって地球上の大気が酸化され、動物などの新たな生命が出現する条件が整いました。藍藻が成し遂げたもう1つの大きな貢献は、植物の起源です。植物が食料にする葉緑体というのは、つまり植物の細胞内に生息する藍藻のことなのです。過去のいくつかの時点で、藍藻は他の真核生物細胞への侵入を試み、宿主である真核生物に対し、住み処の見返りとして食料を提供してきたのです。藍藻は、今日の地球における光合成の20~30パーセントを担い、大気の組成に重要な役割を果たしています。
サンプル:アナベナと呼ばれる藍藻。下部の黄色の部分は、別の種類の藍藻で、アファニゾメノンだと思われます。スウェーデンのストックホルムにあるメーラレン湖で撮影されました。
2019年度Image of the Year応募作。説明文および画像提供:Håkan Kvarnström。
今週の人気パートの1つは、Waterbear Wednesday(クマムシの水曜日)の投稿です。今月最も人気のあったこの動画では、可愛らしいクマムシが、食事を中断してカメラに向かって「こんにちは」と挨拶しています。
全長約0.5ミリメートルのこのクマムシの複雑な口が見えます。この倍率では、単細胞でできた黒眼も見ることができます。体内の円に見える部分も細胞です。このクマムシは3個の卵を抱いており、クマムシが採取された微生物マット(フロリダの淡水泉の深さ4 mのところにあった)を食べている様子が見られます。
400倍で撮影されました。画像提供:Hunter Hines。
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