Image of the Year Award 2018
ヨハン・スワンポール氏へのインタビュー

Olympus Image of the Year 2018 – ヨハン・スワンポール氏へのインタビュー

オリンパスのImage of the Year Awardの3位はヨハン・スワンポール氏に決定しました。蚊の幼虫のマウスブラシの見事な画像は、大きくて危険な海洋生物に容易に間違われそうです。

彼と話した際、この受賞画像を作成したコントラスト法と画像スタッキング法について解説してくれました

画像について教えてもらえますか。

これは、400倍の倍率で撮影した蚊の幼虫で、口の下部を捉えています。画像中に見えるスパイクが幼虫のマウスブラシを形成しており、摂食に使います。ブラシは動き回って、食べ物の粒子を幼虫の口の中に移動させる水流を作ります。これらのブラシは小さく、ほんの数分の1ミリです。

この写真のアイデアはどのようにして生み出したのですか。

私にとって顕微鏡法は単なる趣味です。定期的に、池や湖から採取した水のサンプルを観察しています。この画像の場合は、顕微鏡で観察するため、何か新しいものが発見できればと思いながら、ヨハネスブルクの湖からのサンプルを採取しました。サンプルの1つで、いくつかのこれらの幼虫が見られたので、より詳しく観察し、何枚もの写真を撮影しました。そしてこれが一番良かった画像です。

画像はどのように作成されたのですか。

微分干渉コントラスト(DIC)の照明を合わせたオリンパスの顕微鏡BX53とキャノンのEOS 6Dカメラを使いました。DICは、サンプルが半透明である場合は特に有用となる、より明確なコントラストをプリズムを使って表現します。波長に依存する照明のレターデーションは様々な干渉色を生むので、背景が一定の色となり、標本はその色の様々な変化形を表します。

400倍の倍率で画像を取得すると、被写界深度は非常に浅くなるので、三次元の被写体では、焦点が合うのはほんの小さな部分だけです。完全に焦点の合った画像を取得するには、全て異なる深度で焦点を合わせているたくさんの写真を撮影し、ソフトウェアでそれらの画像をスタックして最終画像を形成します。これにより、組み合わせた画像の被写界深度が、1つのスライスだけでなく、サンプル全体に焦点を合わせるために十分となります。

標本全体に焦点を合わせるのは非常に困難です。この画像はスタックした16枚の画像からなっています。異なる深度で撮影した画像を、手動で貼り合わせることも、特殊なソフトを使用することもできます。この画像を作成するのに、Zerene Stackerというソフトウェアパッケージを使用しました。

芸術の作成に顕微鏡を使用するようになったのはいつからですか。

何年も前に顕微鏡法を勉強したのですが、その後はIT分野で仕事をするようになり、顕微鏡を使うことはありませんでした。数年前、超接写写真に興味を持ち、ただDSLRカメラとマクロレンズを使って写真を撮り始めました。その後、約3年前に、撮っていた写真の対象にもっと近づきたいと思い、顕微鏡を購入することにしたんです。

そして、自分の情熱の全てが1つの趣味に結び付けられ、そこから少々エスカレートしてしまいました。仕事では、日々ウェブサイトを作成したり、多くのコーディング作業やフォトショップでの作業をしています。イメージスタックを介して、自分の仕事と微生物学や写真撮影法とを合体できるのは最高です。これまでの3年間、いまだ飽きるようなことはありません!

なぜこの画像を選んだのですか。

これをずっと気に入っていました。個人的なお気に入りで、Facebookで使っているんです。それでも、応募できるのは3枚の画像だけなので、決めるのは困難でした。受賞したのが自分のお気に入りだったのは嬉しかったです!

顕微鏡の世界を観ることには、ずっと興味があったのですか。

はい、ずっとそうでした。顕微鏡の魅力は、いつも何か新しいものを発見できることです。それまで見たことがない何かを。すごいのは、発見できる新しいものが私たちの周りのいたるところにあることです。水のサンプルはどこでも採取できるし、その中に存在する、裸眼では見えない生命の数はとても信じられない程です。

現在は何に取り組んでいるのですか。

現在は、昆虫の写真のスタッキングを沢山しています。完璧に画像の焦点を合わせるのに、通常200枚以上の写真を撮りますので、このプロセスを自動化したいんです。モーター付きのRaspberry Piを購入して、わずかに焦点を移動し、写真を撮影し、また移動する、といったことを実行するプログラムを書きました。

このプロセスを自動化できれば、対象を拡大して、自動で画像を取得してくれるので、毎回焦点を手動で変更する必要がありません。200枚の画像が撮影できれば、ハエの頭部などのより大きな三次元対象を撮影も、鮮明な画像が得られます。

新たに創設されたGlobal Image of the Year Competition

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