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特長

サンプルにダメージを与えない明るく高解像な深部イメージング

顕微鏡システム

正立顕微鏡

脳スライスの実験と同時に観察を行うのに最適な正立顕微鏡システムです。多光子による光刺激やパッチクランプ信号の同期などさまざまな実験が可能です。SHGにも対応することができます。

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倒立顕微鏡

組織培養、三次元培養、細胞塊(スフェロイド)など厚みのある培養細胞の観察や、観察視野に開口部を設けた小動物の内部組織観察に最適な倒立顕微鏡システムです。

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レーザー・スキャナーユニット

より明るく、より深く、ダメージは少なく 

多光子観察では、焦点面においてレーザーのパルス幅を短くし、レーザーのエネルギーを効率良く蛍光の励起に利用する必要があります。しかし、パルスレーザーは光学系を通過する間にパルス幅に分散が生じ、対物出射時にはパルス幅に広がりが生じてしまいます。FV1200MPEのレーザーは、顕微鏡光学系で発生する分散量の逆の分散を与え、サンプルでは理想的なパルス幅に調整されたレーザー光を得ることができます。

出射レーザーの自在な調光

FV1200MPEでは、レーザー光の調光を行うAOMを標準で搭載しています。AOMではレーザー強度の変更やレーザーON/OFFの高速切換が可能なため、サンプルの明るさに応じたレーザー出力の制御や、イメージングを行っていない位置へのレーザー照射を避けることができます。厚いサンプルのイメージングでは、深さに応じてレーザー強度を変更でき、明るさの変わらない画像を取得できます。

励起波長・対物レンズに応じたビームの自動調整 

効率の良い多光子励起には、レーザーの強度分布がガウシアンに整ったビームを対物レンズの瞳径を充たして入射させる必要があります。FV1200MPEではオートビームエキスパンダにより対物レンズ・励起波長に応じたレーザービーム径の自動調整を実現し、多光子励起観察に最適なレーザーを供給します。

新設計ミラーで、励起効率アップ

可視域~近赤外の広波長帯域に渡って非常に高い反射率特性を実現した銀コーティングのガルバノミラーを新たに採用しました。XYスキャナートータルの反射率は従来のアルミコーティングミラーと比較して近赤外で最大25%以上向上しています。反射率アップは多光子励起効率に換算すると50%以上の改善に相当し、絶対的なパワーが必要とされる生体の深部イメージングに非常に有効です。

検出器

散乱光も漏れなく検出する広視野設計

多光子励起ではサンプルの集光スポットからのみ蛍光が発せられます。生体サンプルは散乱体であり、蛍光の減衰に繋がります。FV1200MPEでは広視野設計により、散乱光を含めた蛍光シグナルを最大限取り込むことが可能で、効率の高い蛍光イメージングを実現しています。

BX用外部GaAsP PMT検出器

微弱な蛍光でも高いS/Nで画像を取得するために、光電面にガリウム砒素リン (GaAsP) を使用したフォトマルチプライア (PMT) を検出器に使用しています。従来のPMTより量子効率を高め、さらにペルチェ冷却によりノイズを低減しています。 

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落射型蛍光検出器

蛍光シグナルは非常に微弱な上、深部イメージングの場合にはサンプル内での散乱により、更にシグナル強度が減衰します。FV1200MPEでは、検出効率を最大限に上げるために、サンプルに出来るだけ近い位置にフォトマルチプライアを設置した検出器を利用しています。この検出器では共焦点絞りを通すことなく、全ての蛍光シグナルを取り込むことが出来るため、光の減衰を最小限に抑えた高感度でのイメージングを可能にしました。

FV1200MPE 落射4CH 外部検出器の詳細はこちら
FV1200MPE 落射2CH 外部検出器の詳細はこちら

透過型蛍光検出器

高NAコンデンサと多光子透過型蛍光検出器が、焦点面で励起された蛍光とともに、サンプル内部で散乱してしまった光もくまなく検出します。特に、スライスサンプル深部での蛍光も透過検出器で、高い効率で検出できます。

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多光子専用対物レンズ

サンプル内の光屈折を補正して、深部イメージングを実現

深部イメージングでは、サンプル自体の屈折率差による集光スポットの乱れが問題です。FV1200MPEの専用対物レンズは、補正環により屈折率差を吸収し、サンプル深部でもエネルギー密度を落とさず理想的な集光スポットの形成が可能です。

多光子専用対物レンズと標本の透明化で超深部イメージングを実現

さらなる深部イメージングを可能にするために、多光子専用に設計された作動距離4mmの対物レンズと生体試料を透明にする水溶液を使用することで、透明化された生体試料の超深部までを高精細にイメージングすることができます。 

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標本透明化液 SCALEVIEW-A2の詳細はこちら

高速イメージングに最適化

光刺激システム

多光子イメージングと多光子光刺激の同期化

光刺激専用スキャナーを観察用のスキャナーから独立させた結果、イメージングの設定に縛られない自由な光刺激が可能となりました。同時に多光子レーザーによる光刺激により、イメージングと同一焦点面の励起を実現しています。

多光子アンケイジングと蛍光で調べた単一スパインのカルシウムシグナル
単一のスパイン頭部 (赤点) においてケイジドグルタミン酸の多光子uncagingを行いグルタミン酸を投与した (励起は720nm) 。この単一スパインの頭部から樹状突起本幹に向かう線 (2つの三角形を結ぶ線) 上でラインスキャンを行った。

Noguchi et al. Neuron 46 (2005) 609-622から転載。
東京大学大学院医学系研究科 疾患生命工学センター
野口 潤先生、河西 春郎先生

可視光刺激と多光子刺激の両方を実現

FV1200MPEツインスキャナーシステムではIRパルスレーザーを用いた、3次元空間での局所的な刺激に加えて、ファイバー導入した可視光での光刺激も可能です。 可視光でチャネルロドプシンへの光刺激を行い、多光子レーザーでもイメージングが可能になりました。 多点刺激ソフトウェア (オプション) を利用すれば、IR→可視→IR→可視と切り換えての連続刺激も可能です。

光刺激合成DM例

左図の例で示すDM (ダイクロイックミラー) では可視光488, 559nmで刺激を行い、IR光920nm 等で励起、観察が可能です。 

さまざまな用途に応えるイメージング・計測機能

多彩なスキャンモード

AOMを標準で搭載しているので、イメージング、光刺激の細かな位置および時間制御が可能です。オリンパス独自のトルネードスキャンを利用すれば、FRAP、Caged刺激等の実験で任意領域の高速ブリーチング、光刺激が行えます。

ハイスピード オプトジェネティクス & アンケイジング

オリンパスの革新的な Multi point Mapping Advanced Software (MMASW) は、通常のラスター走査では実現できなかった、高速の生理学実験の高S/N比計測を可能にしました。ランダムアクセス走査とターゲットパス走査と同様の方法で、高速でマルチポイント計測や光刺激を選択することが可能です。また、走査位置をより広い領域に拡大することも可能です。銀コートのガルバノミラーは、可視光からIRレーザーの波長領域において、全視野で優れた効率でのマルチカラー走査を実現します。ポジション毎に最大50,000Hzのデータ出力と、最大毎秒101サイクルで、細胞ネットワーク変動の測定を、高S/N比で必要な全データを取り込むことが出来ます。マッピング機能により、高速な蛍光変動位置、あるいは高いシグナルの領域を特定し、自動的に高速測定位置を割り当てることができます。オリンパスの光刺激スキャナーは、オプトジェネティクスまたはアンケージング実験において、同時光刺激に対する細胞応答をマッピングすることができます (FV1200MPE BASICとTシステムのみ)。また、高速な信号を扱う電気生理学などの外部検出器と同期を取ることができ、高速な電気生理学、カルシウム測定、オプトジェネティクス、およびFRAP/FLIP実験など、撮像と同期した光刺激は、光刺激中または光刺激直後の細胞応答の計測を可能にします。光刺激/撮像位置とレーザー波長は、2つの独立したビームを個別に設定することができます。

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光刺激とパッチクランプ信号の同期化

アナログユニットは電圧値を画像に変換し、蛍光画像と同様に扱うことが可能です。例えば、光刺激を行いながらパッチクランプで測定した電気信号を画像取り込みに同期させ、疑似カラー表示が可能です。

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光刺激マッピングとマルチポイント刺激

観察領域内を格子状に分割し、分割領域を離散的にレーザー照射することで、隣接する空間からの光の影響を排除した光刺激ができます。マッピング&マルチポイントソフトを利用する事で、複数点の自動刺激が可能になります (オプションソフトウェア) 。

深さ方向画像取得時の明るさ補正

厚いサンプルをイメージングする場合、焦点位置が深部になるにつれて画像が暗くなります。焦点位置に応じてAOMでレーザーパワーや検出器の感度を変更しながら、連続的に画像を取得できるため、厚さ方向の情報を逃すことなく、高感度かつ高精細にイメージングできます。

小動物実験を可能にするかさ上げアーム

鏡体と落射投光管の間に装着して40mmかさ上げが可能なアームかさあげキットを用意しました。ステージ上に大きな空間を作ることができマウスなどの小動物を使っての実験が楽に行えます。

深部イメージングに光刺激に多彩なラインナップ

M システム: Mスキャナー多光子専用システム

可視光のレーザーを搭載しない多光子専用システムです。多光子観察に最適化されたシンプルな光学系により、小型化と簡便な操作でサンプル深部のイメージングが可能になります。金コートのガルバノミラーが採用されています。

B システム: 標準スキャナー多光子観察システム

多光子用IRレーザー及び可視光用レーザーを搭載しているため、多光子による深部イメージングと可視レーザーによる共焦点イメージングに対応できます。ライブセルからin vivo まで幅広く対応できます。ダブルファイバータイプのレーザーコンバイナーと組み合わせれば、多光子イメージングと可視光刺激が可能です。

S システム: 多光子レーザー光刺激システム

刺激用スキャナーにIRレーザーを搭載しています。通常の多光子観察に加え、可視レーザーによるイメージング中に、多光子によるピンポイントの光刺激が可能です。多光子観察は、Time Controller等一部の画像取得モードには対応していません。

T システム: 多光子観察多光子光刺激システム

2本の独立した多光子用IRレーザーで光刺激とイメージングを同期化するシステムです。多光子では、1光子で届かない深部のピンポイント刺激が可能になります。例えば、3次元空間でピンポイントで刺激できるため、スパイン単体が及ぼす影響を観察することが可能です。刺激用2ポートスキャン (オプション) では、IRレーザーに加え、可視レーザーでも刺激が可能です。チャネルロドプシンなどの可視光刺激で多光子イメージングが可能です。

レーザーシェアリングシステム

2台の顕微鏡を利用できるシステムです。Bシステム (Basicシステム)/ Mシステム (多光子専用スキャナーシステム) 併用例1台のレーザーでBX61WIのBシステムとMシステムを併用します。

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可視光組み合わせ可能レーザー 

マルチコンバイナーは405nm、440nm、473nm、559nm、635nm全てダイオードレーザーでの組み合わせが可能。従来のMulti Arレーザー、HeNe-Gレーザーも搭載可能です。

ダブルタイプ

マルチコンバイナーは2本のファイバーでレーザー光を出力。イメージング用と光刺激用の両方で使用可能です。

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シングルタイプ

可視観察用レーザー。AOTFを標準装備しています。

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