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デジタルイメージングについて:よくあるご質問(FAQ)

著者  -
顕微鏡用デジタルカメラ

デジタルイメージングについて、疑問に思うことはありませんか? デジタルイメージングは顕微鏡下でサンプルを撮影し、スライドを保存するために広く利用されている手法です。

本ブログでは、人気の高いこの技術に関してよくある質問とその回答をいくつかご紹介します。
 

デジタルイメージングとはどのようなものですか?

デジタルイメージングとは、画像の電子的記録を表すために使用される広義の用語です。夕焼けの風景から顕微鏡サンプル、スキャンされたドキュメントまで、ほぼ何でもデジタルで撮影できます。
 

デジタル画像とはどのようなものですか?

デジタル画像は、一連の画素、すなわち画像素子から成ります。コンピューターは画像ファイルを読み込み、画素を表示してモニター上に画像を形成します。
 

デジタルイメージングの利点はどのようなものですか?

顕微鏡観察におけるデジタルイメージングの主な利点は以下の4つです。

  • 半永久的な記録:画質を損なうことなく、同じデジタル画像のコピーを無限に作成できます。その結果、デジタルイメージングは研究用スライドを保存し、サンプル劣化の問題を解決するのに役立ちます。
  • 画像の共有:デジタル画像を遠隔地にいる相手に送ることができるので、共同プロジェクトのためにスライドを郵送する手間やコストを削減できます。
  • 画像の調整:顕微鏡用のcellSens イメージングソフトウェアなどの編集プログラムを使用して、元のデジタル画像を容易に調整し、数回クリックするだけでコントラスト不良、過度のノイズなどの問題を修正することができます。
  • 定量的な解析:デジタルイメージングは定量的な画像解析のためにデータを提供し、新たな情報の収集に役立ちます。例えば、取得データを、データベースに保存されている過去のイメージング結果と比較することができます。
     

どのようにすれば顕微鏡観察でのデジタルイメージングの品質を改善できますか?

顕微鏡画像の品質を改善するには、目的のアプリケーションに適切な光学系とカメラを選択する必要があります。

オリンパスでは、お客さまが研究に適した顕微鏡対物レンズやカメラを見つけるためのサポートとなるコンテンツをご用意しています。参考のために、以下のブログも是非ご覧ください。適切な顕微鏡対物レンズ選択方法:聞くべき10の質問および適切な顕微鏡用カメラ選びに役立つ4つのフリーツール
 

顕微鏡用デジタルカメラにおいて重要視するべき性能はなんですか?

画質に影響する要因はたくさんあります。一般に、カメラの解像度と感度から確認することをおすすめします。感度とは、カメラのセンサーがサンプルからの光をどのくらい検出するかを示します。解像度とは、カメラが取得できるデータの密度です。しかし、前述のように、これらは光学系やシステム、アプリケーションに合っているものでなければなりません。

たとえば、高解像カメラは、光学系を通じて失われたサンプルの構造情報を復元できないため、低NAの対物レンズには合いません。その理由は、光がカメラの画素ピッチより広く拡散することにあります。この場合、より低解像のカメラのほうが適しています。

また、例えば700~900の波長(nm)範囲で観察する必要がある場合は長い波長を感知できるカメラを選択することが重要になります。

考慮すべき要因は他にもたくさんありますので、以下のホワイトペーパーを是非ご参照ください。顕微鏡カメラを選ぶためのチェックポイント
 

どのカメラセンサーを選べばよいですか?

センサーにはいくつかの種類があり、それぞれに利点と欠点があります。

  • CCDは電荷結合素子(Charge Cupled Device)の頭字語です。CCDは半導体チップであり、デジタルカメラでは感光領域がセンサーとして使用されます。CCDセンサーが光を捕捉して電荷に変換することによって機能すると、デジタル画素データが得られ、画像が形成されます。従来、CCDセンサーはライフサイエンスのアプリケーションでは最も一般的でした。しかし、新しいセンサー技術の台頭とともに、この技術は古くなり、徐々に一般的でなくなってきています。

  • EMCCDはCCDセンサーの1種で、CCD読み出しノイズを上回るよう低光量シグナルを増幅します。従来のCCDでは通常、超低シグナルレベルはセンサーの読み出しノイズを下回るため、超低光量で高速フレームレート撮影を必要とするアプリケーションにおいてイメージング能力が制限されます。

    EMCCDカメラは弱い光を検出できることで知られているため、低光量カメラと呼ばれます。高感度を特徴としており、超低光量で高速の生物学的現象を撮影するために有用なツールです。

  • CMOSは相補正金属酸化膜半導体を意味し、CCD技術に取って代わるものです。CMOSとCCD大きな違いはシグナル電子の読み出し構造です。

    個々の光感知ダイオードの多重読み出し増幅器のおかげで、CMOSは読み出し速度がCCDを大幅に上回ります。高速読み出しの代償はローリングシャッター歪みです。CMOSはすべての画素を同時に取得するのではなく、画像全体を高速でスキャンしてデータを収集するため、露出時間差によって歪みが引き起こされることがあります。

    一方、CCDセンサーは入射光子を収集しながら電荷を蓄積することによってこの歪みを回避できるため、すべての画素を同時に読み出すことが可能になります。

    従来、CMOSは信号対雑音比がCCDと比較して低かったのですが、現在では高品質のCMOSカメラがたくさんあります。さらに、グローバルシャッターCMOSの導入により、ローリングシャッターによって引き起こされる歪みが克服されました。

  • sCMOSはScientific Complementary Metal-Oxide Semiconductorの頭字語であり、scientific CMOSと表記されることもあります。sCMOSはCMOSセンサーの1種で、大きな画素サイズと低ノイズ特性を持っています。また、従来のCMOSより高い感度を提供します。冷却CCDセンサーと同様、通常sCMOSを冷却して暗電流を最小限に抑え、より高い信号対雑音比を達成します。

    sCMOSカメラとEMCCDカメラの最も大きな違いは、sCMOSカメラでは長時間露光ができないことです。EMCCDカメラは蛍光シグナルが弱い場合の長時間露光や生物発光イメージングアプリケーションで好まれる一方、sCMOSカメラはさまざまなイメージング手法を用いて作業できる点で人気があります。

用途に合った最適なデジタルカメラをお選びくださいお問い合わせください
 

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シニアプロダクト・戦略プランナー、プロダクトマネージャー

小蒲健夫氏はEvidentのシニアプロダクト・戦略プランナーであり、顕微鏡カメラのプロダクトマネージャーも務めています。カメラを含むさまざまな製品の研究・開発部門で8年、製品計画、マーケティング、マネジメントで8年の経験を有しています。大阪大学でニュートリノ物理学の修士号を取得。

2020年3月24日
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