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顕微鏡の光源を長持ちさせ、性能を向上させる方法

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蛍光検鏡法のための顕微鏡光源

顕微鏡の光源は、機器の最も重要なパーツの一つです。正確な照明により、標本観察のみならず画像取得やデータ解析の最適化も可能です。蛍光励起光源の種類(水銀ランプ、水銀メタルハライドランプ、LED)により、システムの能力を向上させる方法が異なります。

オリンパス顕微鏡の性能向上シリーズの第2部として、このブログは、蛍光光源を最適化するために役立つヒントをご提供します。
 

水銀ランプ

従来型の水銀ランプは、通常顕微鏡に直接取り付けられているランプハウスに装着されていますが、共焦点顕微鏡のようなシステムでは、ライトガイドを通して出力が提供されることもあります。これらの光源の製品寿命を最長にするため、使用説明書に従って次の4つのベストプラクティスを実行してください。

  1. ランプのスイッチは頻繁にオン/オフを切り替えないでください。

    短時間、部屋の外へ行くことがありますか?ランプはオンのままにしてください。頻繁にオン/オフを切り替えると、ランプの寿命を縮めます。水銀ランプの電源装置の中には頻繁な切り替えを防ぐためのクールダウン待機機能を備えたものもありますが、上記の特徴に留意しておくことでバルブの寿命を長く保つことができます。
  2. バルブが新しいことを確認します。

    水銀バルブの輝度は、わずか70時間で減弱し始めます。200時間時点では、大幅に減弱しています。定格寿命(200時間または300時間)に応じてバルブを交換してください。バルブは、所属組織の有害廃棄物処理方針に従って廃棄してください。
  3. バルブのアライメントを調節します。

    アライメントを適切に行うことで、均質な視野照明が得られます。使用説明書に記載されているランプハウスの正しい取扱手順に従ってください。バルブのアライメントが正しいかどうかを確認するための簡便法として、白色の紙を顕微鏡の台座に置いてください(オリンパスの担当者の名刺などが適しています)。続いて、青色励起光を使用して低倍率で観察します。セルロースが自然に蛍光を発し、照明ムラがすぐに確認できます。
  4. 予備のバルブを手元に用意しておきます。

    バルブの不具合に備え、常に予備を1個以上手元に用意してください。古い水銀バルブは突然発光しなくなることがあります。標本の撮影準備が完了したのにバルブがないという事態を回避しましょう。使用説明書に従ってバルブを交換し(通常は200時間または300時間、バルブによって異なります)古いバルブは水銀有害廃棄物として廃棄してください。
     

水銀メタルハライドランプシステム

水銀メタルハライドランプシステムは、プリセンタリングされた長寿命型メタルハライドバルブに水銀を封入したものを使用します。これらのバルブの寿命は通常2,000時間で、主電源装置にプリセンタリングして装着されています。照明は通常、液体ライトガイド(LLG)を通して顕微鏡に提供されますが、直接装着された装置もいくつか市販されています。

メタルハライドランプ

メタルハライドランプの例

この光源は、最初の1,000時間は比較的安定した出力を維持しますが、その後輝度が減弱し始めます。製造業者の技術担当窓口に相談して経時的なスペクトル出力を確認し、使用説明書に従って交換します。水銀バルブと同様に、古いバルブを所属組織の有害廃棄物処理方針に従って廃棄してください。

LLGは使用に伴い劣化し、4,000~6,000時間経過後は大幅に効率が低下することはあまり知られていません。主電源装置にビルトイン型のシャッターが装着されている場合は、顕微鏡に付属するシャッターではなく、ビルトイン型のシャッターを使用して励起光を遮断してください。こうすることにより、LLGの効率を長く保つことができます。

これらとは別に、2回目または3回目のバルブ交換後には、液体ライトガイドの交換を予定しておく必要があります。液体ライトガイドは、センタリングの必要はありませんが、電源装置のソケットと顕微鏡に装着されているLLGアダプタの両方に完全に固定されていなければなりません。LLG交換の際は、必ず使用説明書に従ってください。

液体ライトガイド

液体ライトガイドが顕微鏡に照明を提供します。

LED光源

水銀ベースの蛍光光源から発光ダイオード(LED)装置へアップグレードすることは、顕微鏡性能の向上やメンテナンスの容易さ、さらに次のような利点をもたらします。

  • 水銀よりも強く、明るいスペクトルピーク
  • ウォーミングアップなしですぐに使えるオン/オフ切り替え
  • 極めて長い寿命(20,000時間以上)
  • バルブの購入や調節が不要(うれしいですね!)
  • エネルギー消費量が少なく、水銀を使用しないため、環境に優しい

LED光源の多くは、488、568、647などの主要な波長で、水銀よりも明るいピークスペクトルを出力します。独立した3~16種類の急速スイッチング励起波長のいずれにおいてもモデルを使用できます。

LED光源は、オン/オフの切り替えが非常に速く、その多くは様々な輝度を提供し、波長によって輝度が異なるものもあります。手動のコントローラーでシャッターを操作し波長を調整するか、USBもしくはPC/ソフトウェアからのトランジスタ-トランジスタ・ロジック(TTL)シグナルを介して自動的に実行させることができます。波長を個別設定し自動実行する魅力的な機能は、旧式の手動顕微鏡から、自動マルチチャネル蛍光光源(マルチチャネルフィルターセットを使用します)にアップグレードすることで得られます。一歩先に進み、Zフォーカス機器、環境制御チャンバー、適切なソフトウェアを追加して、旧式の手動倒立顕微鏡からライブセル・タイムラプス・イメージングシステムへ切り替えましょう。

LEDシステムは、アライメントが不要で、交換するバルブがなく、管理が容易です。LEDシステムの寿命は数万時間で、水銀廃棄物はなく、エネルギー消費量は大幅に減少しています。そのお陰でLEDシステムは、旧式の顕微鏡で管理可能だったアプリケーションの幅を広げ、全体的な保有コストを大幅に低下させることができるのです。
 

専門家からの顕微鏡性能の向上に関するヒントがさらにあります。

あなたが現在ご使用の顕微鏡システムで、もっと多くのことが簡単にできると私達は考えています。だからこそ、私達はこのトピックに関する多くのブログを一つにまとめ、そのプロセスをできるだけシンプル(かつストレスのないもの!)にしているのです。

まだご覧になっていない場合は、オリンパス顕微鏡の性能向上シリーズの第1部をご覧ください(お手元の顕微鏡をより有効に活用していただくための5つの方法)。次の記事で、安定したライブセルイメージングのための簡単なアップグレード方法について学んでください。
 

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ライフサイエンス顕微鏡部門、シニアセールススペシャリスト

Craig Rappaport氏は、Evident Life Scienceの顕微鏡のシニアセールス担当者です。26年に及ぶ顕微鏡の営業経験に加え、科学/技術分野のマーケティングにおいても10年余りの経験があります。Evidentに入社以来、市場分析、顧客の声の調査、新製品のリサーチを専門としています。2012年から、セールスチームとともに南カリフォルニアのサンディエゴとインペリアル郡を担当しています。カリフォルニア大学サンタバーバラ校で学士号(BA)、デューク大学のFuqua School of BusinessでMBAを取得しています。

2021年1月11日
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