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2017年 11月 09日

3D共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV3000」正立型2タイプを発売

オリンパス株式会社(社長:笹 宏行) は、科学事業の新製品として、神経系の超高速な信号伝達などを観察できる共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV3000」正立型2タイプを2018年1月から全世界で発売予定です。

共焦点レーザー走査型顕微鏡は、蛍光色素で染色したサンプルをレーザーでスキャンし、サンプルから発する微弱な蛍光を検出することで、細胞内の微細構造を高精細な立体画像として観察できる顕微鏡です。当社は様々なニーズに対応できる共焦点レーザー走査型顕微鏡として「FV3000」シリーズを提供します。

今回発売される共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV3000」正立型2タイプは、固定標本用と電気生理用の2つの用途をカバーしています。「電気生理用組み合わせ」では対物レンズ周りの作業スペースを広く確保することで、パッチクランプ法を用いて神経が信号伝達する様子を確認しながら、観察できるフレームデザインを実現しています。そして業界最速毎秒438枚の撮影スピードを実現することで、神経の信号伝達に伴う超高速な現象も捉えることができます。また「FV3000」シリーズは幅広い倍率の対物レンズに対応しているため、マクロな広視野観察からミクロな超解像観察まで段階的に対応することができます。
これら「FV3000」のラインナップを拡充したことで、がん研究や幹細胞研究、細胞生物学の分野だけでなく神経科学分野も新たにカバーすることが可能となりました。

※微小電極を用いて神経細胞の電気信号伝達活動を直接的に測定する方法

●発売の概要

商品名 発売日
共焦点レーザー走査型顕微鏡「FV3000」正立型2タイプ 2018年1月予定

●主な特長

  1. 作業スペースを広く確保し、電気生理実験に適したフレームデザイン
  2. 最速毎秒438枚の撮影スピードで超高速な現象も観察可能
  3. 1cm2のマクロな視野からサブミクロンサイズのミクロ観察まで幅広く対応

●販売の背景

生命科学・医学の研究分野では、生きている組織や細胞を用いて、それらの役割や機能を解明する試みがされています。共焦点レーザー走査型顕微鏡は、一般的な顕微鏡では難しい深さ方向の情報を取得でき、細胞内部の微細構造を立体的に観察できるという特長から、多くの研究機関で利用されています。その中でも幹細胞研究やがん研究分野では、再生医療の実用化やがんのメカニズム解明、治療薬開発に向けた取り組みの中で用いられています。研究を進める上で、生体組織内や細胞内部の反応を高速かつ正確に捉えることが求められており、当社はそのようなニーズに応えるため、共焦点レーザー走査型顕微鏡のFV3000シリーズを提供しています。そしてこのたび、「固定標本用組み合わせ」と「電気生理用組み合わせ」の2タイプの正立型を新たにラインナップに拡充することで、従来分野だけでなく神経科学分野も新たにカバーすることが可能となりました。

●主な特長の詳細

1. 作業スペースを広く確保し、電気生理実験に適したフレームデザイン

電気生理実験は、サンプルに電気を流した際の神経や細胞に起きる反応や現象を観察し、それらのメカニズムを解明する目的で行います。そのため、「電気生理用組み合わせ」では対物レンズ周りのスペースを広く確保し、神経が信号伝達する様子を試験しながら観察できるフレームデザインを実現しています。これにより電気生理実験用機器を設置できるようになっただけではなく、作業のしやすさも向上しています。

「電気生理用組み合わせ」のフレームデザイン

2. 最速毎秒438枚の撮影スピードで超高速な現象も観察可能

本機種は高速スキャナーを搭載したことで、業界最速毎秒438枚の撮影スピードを実現しています。これにより、神経科学分野における超高速な現象を観察可能です。この分野の研究における神経細胞同士が信号伝達をする際に伴うミリ秒オーダーの超高速な変化も精細に捉えることができます。

ラット心筋細胞における拍動に伴うカルシウム振動の様子
神経細胞が信号伝達するときに細胞内にカルシウムイオンが確認されます。その際のカルシウムイオン濃度の変化を捉えています。カルシウムイオン濃度が高いところが赤色で表示されます。

画像提供:理化学研究所 脳科学総合研究センター 新野祐介先生、宮脇敦史先生

3. 1cm2のマクロな視野からサブミクロンサイズのミクロ観察まで幅広く対応

「FV3000」シリーズでは、1.25-150倍までの対物レンズを各種揃えており、マクロな広視野観察からミクロ観察、さらには超解像観察まで段階的に幅広くカバーすることが可能です。そのため以下に示した画像のようにサンプルの網膜組織全体を確認した後に、目的の部位を絞り込んで神経細胞の一つ一つの繋がりをミクロ観察することなども可能です。

網膜組織の観察
マクロ観察 (左) : 2倍対物レンズ / ミクロ観察 (右) : 40倍対物レンズ

画像提供:慶應義塾大学医学部 坂口光洋記念機能形態学講座 久保田義顕先生

本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。

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