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2020年 4月 06日

顕微鏡用画像解析ソフトウェア「cellSens」にディープラーニングを活用した画像解析技術「TruAI」を搭載

実験プロセスの効率化および実験結果の精度向上に貢献

オリンパス株式会社(社長:竹内 康雄)は、撮影から解析までをサポートするイメージングソフトウェア「cellSens」に、ディープラーニングを活用した画像解析技術「TruAI」を搭載しました。「TruAI」にユーザーが作成する教師データを学ばせることで、従来難しかった非染色観察や微弱な励起光下での観察画像において細胞核などのターゲット検出が可能になります。

がん研究や再生医療研究をはじめとしたライフサイエンス研究では、薬効による細胞核の増減などを解析することでメカニズムを解明しています。観察画像を解析する際は、サンプルを染色して行う蛍光観察を用いる機会が多く、作業の手間削減とサンプルへのダメージ低減が課題になっています。オリンパスでは最先端のライフサイエンス研究をサポートするため、顕微鏡やソフトウェア「cellSens」を含めた顕微鏡イメージングソリューションを提供しています。

今回は「cellSens」のアップデートで、ディープラーニングを活用した画像解析技術「TruAI」を搭載しました。例えば、サンプルを蛍光試薬で染色していない(非染色の)観察画像と、染色したサンプルの蛍光観察画像をセットで教師データとして学ばせることで、「TruAI」は非染色の観察画像からターゲットを検出します。従来難しかった非染色の観察画像を用いた細胞核の数・面積などの計測が可能になるため、蛍光観察を行う手間を削減します。また蛍光観察が必要な場合でも特定の教師データを学ばせることで、微弱な励起光下でも最適な観察条件と同じレベルでターゲット検出が可能です。これにより光毒性など励起光による影響を抑えられるため、サンプルへのダメージ低減に貢献します。

●主な特長

  1. 非染色観察による解析を実現し、実験効率を改善
  2. 蛍光観察時のサンプルへのダメージを低減
  3. 形態的特徴からターゲットを自動判別し、作業時間を短縮


イメージングソフトウェア「cellSens」の使用イメージ

●主な特長の詳細

1. 非染色観察による解析を実現し、実験効率を改善

「TruAI」は教師データを学ばせることで、非染色の観察画像からターゲットを検出して画像で表示できます。非染色の観察画像からでも、蛍光観察画像と同じレベルで細胞核のカウントや面積測定が可能になるため、蛍光観察を行う手間削減することで、実験の効率改善につながります。

左:教師データのセット(非染色の観察画像と蛍光観察画像)、右:「TruAI」が非染色の観察画像から推論した結果
教師データを学ばせることで、非染色の観察画像から細胞核を正確に認識できる。
 

2. 蛍光観察時のサンプルへのダメージを低減

例えばたんぱく質を計測・解析する場合、1つ1つが非常に小さく、俯瞰した画像から数を計測するのが難しいことがあります。その際は、蛍光観察を行い、蛍光の明るさをもとに、たんぱく質の数を算出します。このような蛍光観察が必要な場合においても、教師データとして、十分な励起光下での検出結果と微弱励起光下での観察画像をセットで「TruAI」に学ばせることで、S/N比※1が低く、不明瞭な観察画像からでも正確にターゲット検出することが可能です。生細胞の蛍光観察が必要な場合でも、励起光によるダメージを最小限に抑えてデータを取得することで実験結果への影響を軽減し、精度の高い結果を取得することが可能です。

※1 観察画像中の対象物の明るさと周囲の明るさの比。S/N比が高いほどコントラストが高く、対象物を明瞭に観察できる。

左:教師データのセット(微弱励起光下の蛍光観察画像と、十分な励起光下の蛍光観察画像からの検出結果)
右:「TruAI」が微弱励起光下の蛍光観察画像から推論した結果
教師データを学ばせることで、微弱な励起光下の観察画像からでも正確な検出が可能。これにより、サンプルに与えるダメージを軽減できる。

3. 形態的特徴からターゲットを自動判別し、作業時間を短縮

例えば腎臓の糸球体など、組織標本から特定の部位を検出したい場合には、ターゲットを形態的な特徴から認識する必要があります。画像の明るさや色味による検出が難しいため、計測・解析するために人が判別作業する必要がありました。「TruAI」は、人が判別した結果を教師データとして学習させることで細胞を自動認識し、計測・解析することが可能です。これにより、作業時間の短縮を実現します。

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