オリンパス株式会社(社長:竹内 康雄)は、再生医療市場における細胞培養のバラつきと手間・コストの削減に貢献するインキュベーション※1モニタリングシステム「OLYMPUS Provi(プロヴィ) CM20」を、日本と米国で発売します。
細胞培養は、経過観察時にインキュベーターから細胞を取り出すことで生じる培養環境の変化により、品質に影響を及ぼす恐れがあります。「OLYMPUS Provi CM20」 は、インキュベーターから取り出すことなく継続的に細胞をモ二タリングできるので、安定した培養と、データ取得を実現します。また、人による計測作業のバラつきを自動計測によって防ぐことができるため、再現性の高い培養が可能となり、実験の成功率向上も期待することができます。さらに、細胞培養は培養状態を定期的に確認・計測する作業や、そのための培養室での準備に手間やコストがかかっているのが現状です。本製品で取得したデータは、ワイヤレス接続したタブレットやノートPCから継続的に遠隔閲覧可能で、経過観察のために培養室に行く必要がありません。これにより、細胞培養に要する時間やコストを削減し、効率化を実現します。
オリンパスは、長年培ってきた光学・画像解析・データ管理などの技術を応用したソリューションにより、再生医療分野における細胞培養プロセスの品質向上と効率化に貢献します。
※1 生体内に近い環境(温度・湿度など)に保つ装置であるインキュベーター内で細胞培養すること。
●インキュベーションモニタリングシステム「OLYMPUS Provi CM20」の主な特長
インキュベーションモニタリングシステム「OLYMPUS Provi CM20」 |
1. 安定したデータを自動で取得可能
本製品はインキュベーターから取り出すことなく細胞の状態を継続して定量解析できるため、コンタミネーション※2や温度変化、振動などの環境により細胞が影響を受け、実験結果を左右するリスクを抑えられます。さらに、培養容器の複数点で画像取得するため、容器内の細胞の偏りによらず培養状況の定量的なデータを取得可能です。また、計測のために細胞を剥離・染色する必要もないため、細胞培養ワークフローの効率化に寄与します。
※2 培養細胞に雑菌等の異物が混入することで汚染されること。
iPS細胞を培養した様子(左:取得画像、右:解析画像) |
2. 継代培養の再現性を高め、実験の成功率を向上
培養条件と細胞の状態、定量解析の結果を共にデジタルデータで記録できるため、培養状況をより高い精度で比較することが可能です。そのため、過去に行った培養が再現できているか、容易に判断できます。
同条件でiPS細胞を培養した際の密度の比較 (紫:容器1、青:容器2) |
3. 作業時間やコストを削減
タブレットやノートPCから培養状況を遠隔で確認できるため、従来、計測のために培養室に入るたびに発生していた手間やコストを削減できます。また、細胞密度が設定値に達するとアラートを発する機能が備わっているため、例えば、継代タイミングを誤って細胞を無駄にするリスクも軽減できます。さらに、本製品はコンパクトボディを実現しており、お手持ちのインキュベーターに設置できるため、導入コストを抑えることが可能です。
本リリースに掲載されている社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。
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