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How to get clear images

よりクリアな像を得るために ~S/Nを上げるポイント~ 


突然ですが、説得力のある蛍光像とは、どのようなものでしょうか?
それは、観察の目的となる蛍光分子や蛍光タンパク質の「シグナル」が誰の目にもクリアに見えるような画像ではないでしょうか。「見たいものがしっかり光って見え、必要のないものは光らせない」、そのようなコントラストのよい蛍光像を得られることが理想ですね。

そうした観察する像のよさを表す指標として、「S/N」があります。これは、目的とする蛍光の明るさ「シグナル(S)」とそれ以外のバックグラウンドの明るさ「ノイズ(N)」の強度比のことです。この値が大きいほど、その像がクリアであることを示します。クリアな像を得るためには、シグナル(S)をアップさせ、ノイズ(N)をダウンし、S/Nを大きくすることが重要になります。


S/Nを上げるポイントは、対物レンズのみにあらず

蛍光観察のシステムを構成しているのは対物レンズだけではありません。光源やフィルタなど、顕微鏡はさまざまなユニットの組み合わせでできています。
そこで今回は、対物レンズ以外の構成ユニットも含めて、クリアな像を得る(S/Nを大きくする)ために押さえておきたいチェックポイントを、項目ごとにまとめてご紹介します。


1.対物レンズと浸液(オイル)

これまでは、“シグナル(S)を上げる”という視点で対物レンズに関するお話をしてきましたが、“ノイズ(N)を下げる”ことによってもS/N値を上げることができます。それには、「自家蛍光」を少なくすることが必要となります。自家蛍光とは、目的のシグナル以外のノイズとなる蛍光のことです。
蛍光イメージングをする際に考えられる自家蛍光は、2つあります。ひとつは対物レンズの素材であるガラスによるもので、もうひとつは油浸用の浸液(オイル)によるものです。

まず、対物レンズ材による自家蛍光を少なくするためには、蛍光観察に対応した対物レンズ(低自家蛍光の素材を使用したもの)に変更する方法があります。

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また、油浸用の浸液(オイル)による自家蛍光を少なくするためには、低自家蛍光のイマージョンオイルを使用します。(当社製品では、低自家蛍光イマージョンオイルIMMOIL-F30CCがそれにあたります。)

対物レンズやオイルによる自家蛍光が大きいと、バックグラウンドが暗黒ではなくなり、蛍光像のコントラストが劣化するので、上記のようになるべく自家蛍光の少ない蛍光観察用の対物レンズやオイルを使用するようにしましょう。

下の写真は、一般用イマージョンオイルを使用した画像(a)と、低自家蛍光イマージョンオイルを使用して観察したときの画像(b)です。比べてみると、右の画像(b)のほうが、バックグラウンドが暗黒でコントラストがよいことがわかります。

オイルの違いによる像の見え方

オイルの違いによる像の見え方(a、bともにU励起)


2.蛍光用ミラーユニット

蛍光観察をする際に重要なる、顕微鏡の構成ユニットのひとつとして「蛍光ミラーユニット(以下、ミラーユニットと省略する)」があります。
はじめに、このミラーユニットを含めた光学系について説明します。下の図1は、蛍光イメージングで多く使われている倒立顕微鏡の光学配置を示したものです。
ま ず、光源から出た照明光(励起光)は、ミラーユニットの「励起フィルタ」を通過し、「ダイクロックミラー」で反射されて対物レンズからサンプルに照射され ます。そしてサンプルから放射された蛍光(観察光)は、ミラーユニットの「吸収フィルタ」を通ってカメラなどの検出系に到達します。

この「ミラーユニット」においてシグナル(S)をアップするためには、観察したいサンプルから発する蛍光を最大限透過させて検出することが重要になります。そのため、観察したい蛍光色素に合った最適なミラーユニットを使用する必要があります。
単 色で観察する場合には、使用する蛍光色素の励起波長に合った励起フィルタと、蛍光波長に適した吸収フィルタがセットになったミラーユニットを選びます。一 方、マルチカラーで観察する場合には、色素分離用のフィルタを選ぶことで、各色素の像をクリアに得ることが可能になります。

また、この「ミラーユニット」においてノイズ(N)をダウンさせるためには、励起光が検出されてしまうことを防ぐため、励起フィルタと吸収フィルタとの重なり(クロストーク)少ない組み合わせを利用するのも大切です。
具体的には、様々な蛍光色素に対応した “推奨蛍光用ミラーユニットの一覧表”が各メーカーで用意されていますので、そちらを参考に選択すると良いでしょう。

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図1 光学配置図

図1 光学配置図


3.光源

蛍光を観察する場合には、明るい光源が必要となります。このため水銀ランプや、キセノンランプなどのアーク光源を利用します。
しかし、アーク光源は、その強い光により明るい蛍光を得ることはできますが、退色が早く、光毒性により観察している細胞に影響が出ることがあります。そのため、NDフィルタなどで明るさを調整しながら利用します。

またこのアーク光源は、使い始めにちらつきが出ることがあり、ノイズを生む原因となります。これを避けるためには、スイッチを入れてから15分程おいて安定するのを待ってから観察するとよいでしょう。また、ランプの使用時間が上限値(およそ200時間)を超えると光源が安定しなくなるので、新しいものに交換する必要があります。

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4.カメラ

蛍光観察をする場合においては、微弱な蛍光でも明るい像を得られるように、「冷却型CCDカメラ」がよく使われます。各画素のサイズが大きく光を多くためられるので、感度のよい像を得ることができるのです。また、その名の通りCCDを冷却する働きがあり、「電気ノイズ」を抑えられるようになっています。


5.その他、設置環境など

そのほか、蛍光イメージングを行う際の「観察時の環境」に気をつけることでも、S/Nをアップさせることができます。そのポイントは大きく3つあります。

  • 顕微鏡は、安定した台の上に設置しましょう
    ぐらついた場所では撮影時にブレが生じ、画像がぼやけます。

  • 蛍光灯などの光が入らない場所で観察しましょう
    外からの光が「迷光」となり、ノイズの原因となります。

  • レンズの汚れに気をつけましょう
    対物レンズやカメラに汚れがついていると、コントラストが低下してしまいます。対物レンズからカメラまでの間にホコリが入らないようにしてください。また、使用前にはレンズを点検し、もし汚れていたら、クリーニングをしてから使用するようにしましょう。

    レンズのクリーニング方法はこちら

これまでのポイントをまとめると、下表のようになります。ぜひ参考にしてみてください。

対物レンズ

浸液

ミラー
ユニット

光源

カメラ

その他

シグナル(S)を
アップするために

観察の目的に応じて適切なレンズを選ぶ

観察したい蛍光色素に合ったミラーユニットを使用する

明るい光源を使用する

各画素が大きく、感度の良いものを選ぶ

ノイズ(N)を
ダウンするために

蛍光観察に対応したレンズで、自家蛍光を抑える

低自家蛍光イマージョンオイルを利用する

励起フィルタと吸収フィルタとの重なりが少ないミラーユニットを選択する

ちらつきを防ぐため、光源は、安定するまで待ってから使用する

冷却機能により、ノイズが少ないものを選ぶ

・安定した場所に設置する
・外部からの迷光を防ぐ
・レンズをきれいに保つ

以上、S/Nを上げてクリアな蛍光像を得るためのポイントをご紹介しました。


本記事で紹介されている製品の関連情報はこちら

蛍光イメージング用高NA対物レンズ(PLAPON 60XO)

蛍光イメージング用高NA対物レンズ(UPLSAPO 100XO)

低自家蛍光イマージョンオイル

蛍光ミラーユニット

顕微鏡システムソリューション 蛍光顕微鏡

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