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LED光源を装置に組み込むメリット

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顕微鏡LED設計

当社では装置組み込み用として光学コンポーネントを豊富に用意しており、ライフサイエンス研究、医療、工業などの幅広い分野にソリューションをお届けしています。 顕微鏡で使用される光源は従来、ハロゲンランプが良く使われていましたが最近ではLEDが主流となっています。顕微鏡の照明方法は大きく分けて落射照明と透過照明があり、今回は落射照明用LED光源「BX3M-LEDR」と透過照明用LED光源「BX3M-LEDT」を紹介するとともにハロゲンランプとの違いを説明し、光源の選定に役立つヒントをご提供します。

落射照明と透過照明

落射照明(図1)は金属顕微鏡で金属表面や半導体など光を反射する物体の観察に用い、透過照明(図2)は生物顕微鏡で生体組織の薄切切片や細胞、細菌など光を透過する物体の観察に用います。当社の「BX3M-LEDR」は落射照明観察に最適なLED光源です。一方「BX3M-LEDT」は透過照明観察に最適なLED光源です。

図1.落射照明

図1.落射照明

図2.透過照明

図2.透過照明

BX3M-LEDRとBX3M-LEDTの違い

BX3M-LEDRは落射照明用光源、BX3M-LEDTは透過照明用光源であり、射出光束径と焦点距離がそれぞれ異なります。 落射照明光学系では対物レンズがコンデンサとしての役割を担うため、光源の射出光束径は対物レンズの瞳径を満たすように設計することで試料へ明るく均一な照明が可能となります。一方、透過照明光学系では対物レンズの様々な仕様、種類、開口数、観察方法などに対応できるように複数のコンデンサが用意されています。その中でもNAが大きいコンデンサを使う場合には、それに対応した射出光束径を持つ光源が必要となります。そのためBX3M-LEDTはすべてのコンデンサに対応できるようにBX3M-LEDRよりも大きな射出光束径で設計されています。また、BX3M-LEDRとBX3M-LEDTはそれぞれ落射照明光学系と透過照明光学系に最適な焦点距離で設計されているため、試料を効率良く均一に照明することができます。

LED光源がもたらすメリット

ハロゲンランプと白色LEDの主な特徴を比較すると表1のようになり、多くの項目で白色LEDの方が勝っています。一般的にハロゲンランプの寿命は2,000時間程度であるのに対し 白色LED は60,000時間と寿命が長く、発光効率が良く発熱量が少なく長時間の観察が可能となります。応答性が速いので観察したいときだけ点灯し、すぐに観察することができます。また、病理などの染色標本を観察する場合、ハロゲンランプでは光量調節すると色温度も変化しますが、白色LEDは光量調節を行っても色温度が変わることなく観察が可能となります。

表1.一般的なハロゲンランプと白色LEDの違い

ハロゲンランプ
項目白色LED
短い × 寿命 長い
低い × 発光効率 高い
多い × 発熱量 少ない
遅い × 応答性 速い
光量によって変化する × 色温度変化 光量によらずほぼ一定
大きい × サイズ 小さい
(基準) - 演色性 × (ハロゲンランプに対して)低い

ハロゲンランプとLEDの分光特性

表1から分かるように、一般的な白色LEDはハロゲンランプに対して寿命・発光効率・発熱量・応答性・色温度変化・サイズにおいて勝りますが、演色性については低くなります。工業分野においては高い演色性は求められないため一般的な白色LEDが利用できますが、生物分野における病理などの染色標本の透過照明観察にはハロゲンランプと同等の分光特性が求められますので、一般的な白色LEDは不向きです。そこで弊社ではハロゲンランプと同等の分光特性を持つLED(True Color LED)を備えたU-LHLEDC/U-LHLEDC100もラインナップしております。 図3にハロゲンランプ(昼光フィルター付)とTrue Color LED、一般的な白色LEDの分光特性と染色標本観察例を示します。一般的な白色LEDの場合はハロゲンランプに比べて短波長側(青色)の強度が強く、長波長側(赤色)の強度が弱いため演色性が低くなりますが、True Color LEDはハロゲンランプと同等の特性で高い演色性を有することが分かります。

ハロゲンランプとTrue Color LED、一般的な白色LEDの分光特性

図3.ハロゲンランプとTrue Color LED、一般的な白色LEDの分光特性

※このグラフは、視感度曲線を用いて正規化された各光源の分光特性を示しており、各光源の光の強さを比較するグラフではありません。

True Color LEDについて更にお知りになりたい方は、関連ブログ記事:高演色性のLEDの開発により、高い色再現性を実現や、ホワイトペーパー:信頼のオリンパスTrue Color LEDもぜひご覧ください。

今後、新規に装置設計をされる際は是非、当社の発光効率が良くコンパクトなLED光源BX3M-LEDR・BX3M-LEDTをご検討ください。また、染色標本観察などハロゲンランプと同等の分光特性(=高い演色性)が求められる場合はU-LHLEDC/U-LHLEDC100をご検討下さい。 当社ウェブサイトでは装置設計がしやすいように、各ユニットのデータシート3DCADデータRoHS対応製品リストなどもご提供しております。貴社の顕微鏡設計に組み込む当社の高品質な光学コンポーネントについてもっとお知りになりたい場合は、 https://www.olympus-lifescience.com/ja/oem-components/をご覧ください。

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光学開発者

12年間にわたってデジタルカメラの開発に携わり、撮像レンズの光学系設計を担当しました。現在はEvidentの光学開発部門に所属し、顕微鏡製品の開発に取り組んでいます。山梨大学で工学修士号を取得。

2022年11月29日
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