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アプリケーション資料

FV3000とX Line40倍油浸対物レンズを用いた破骨細胞と骨芽細胞の相互作用の高解像イメージング


骨は生涯にわたり破骨細胞によって古い骨が溶かされる骨吸収と、骨芽細胞によって新しい骨がつくられる骨形成とが繰り返され、常に新しく生まれ変わっています。しかし何かしらの原因でこのバランスが崩れると骨は脆くなり、骨粗鬆症などの骨疾患へと発展します。

破骨細胞と骨芽細胞がどのような働きをしているかを観察し骨形成と骨吸収の相互作用を明らかにすることは、骨形態形成機構を理解する上で非常に重要とされています。

本実験では、マウス脛骨の輪切り切片を使用し、骨髄と皮質骨の境界域を広く観察し破骨細胞・骨芽細胞を探し出した後、その領域を詳細に観察しました。通常は低倍ドライ対物レンズで広い視野を観察後に高倍油浸対物レンズへ切り替えますが、その際に興味領域を見失ってしまうことがあります。今回は40倍油浸対物レンズのみを使用し、広い視野から興味領域を探し出し、微細な箇所を高精細に観察することができました。


図1:脛骨の断面図

X Line 40倍油浸対物レンズUPLXAPO40XOを使用して高精細画像の取得に成功

マウス脛骨の輪切り切片において、骨髄と皮質骨の境界域を観察しました。骨芽細胞(緑)が血管内皮細胞(黄色)と接触している箇所(*)があり、一方、骨芽細胞が破骨細胞(赤)と相互作用している箇所(#)もありました。40倍の広い視野によって、それらの全体像を同一画像に収めることができました(図2-a)。

また、スキャンズームによって骨芽細胞と破骨細胞が相互作用している箇所を詳しく観察することもできました(図2-b)。
比較のために、従来使用していた60倍油浸対物UPLSAPO60XOで同一箇所を撮影したところ、画質にほとんど変わりがありませんでした(図2-c)。

図2:マウス脛骨の輪切り切片の蛍光画像
a. UPLXAPO40XOを使用して撮影したスキャンズーム1✕の画像
b. UPLXAPO40XOを使用した撮影したスキャンズーム3.45✕の画像
c. UPLSAPO60XOを使用した撮影したスキャンズーム2.03✕の画像

撮影条件
顕微鏡:FV3000
対物レンズ:UPLXAPO40XO(比較対象としてUPLSAPO60XOも使用)
レーザー:488nm(Alexa Fluor488、緑)、561nm(Alexa Fluor 568、赤)、640nm(Alexa Fluor 647、黄色)


実験を可能にしたFV3000の技術

最先端のX Line対物レンズによる高品質イメージング

X Line対物レンズは高い開口数(NA)を実現、明るく高解像度の画像を得ることができます。

X Line対物レンズの技術紹介はこちら

X-Line

暗い蛍光サンプルでも高S/Nな画像取得が可能

最大4チャンネルまで搭載可能なGaAsP PMTを使うことで最大量子効率は45%を実現。従来では検出できなかった微弱な蛍光シグナルを捉えることが可能になります。さらにペルチェ冷却により20%のノイズ低減を達成。これにより、弱い励起光でも高S/Nな画像を取得できます。
高感度分光検出器(HSD)


黒田有希子先生からのコメント

破骨細胞と骨芽細胞の相互作用を高解像で撮像しようとして、困っていたことの一つが場所探しでした。

ドライの低倍対物で注目箇所を探し出しても、そのあと高解像撮影をするために60倍の油浸対物へ移行する際に、オイルを差すことが難しいことがあります。そのため、最初から60倍油浸対物レンズで興味ある場所を探そうとしていましたが、見える範囲が狭いので、見つけるのに手間取ることがありました。

今回は60倍油浸対物レンズと同等の高いNAを持つ40倍油浸対物レンズのUPLXAPO40XOを使用することで、最初からオイルを付けた状態で40倍の広い視野から簡単に注目箇所を探し出し、さらにスキャンズームをかけることにより従来の60倍油浸対物レンズに匹敵する解像の画像をとることができました。この対物レンズによって、効率よく破骨細胞と骨芽細胞の相互作用の観察を進めることができました。

アプリケーションノート制作にご協力賜りました先生:
黒田有希子先生 慶應義塾大学医学部 細胞組織学研究室 助教
本イメージング実験担当者

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