スフェロイドにおける薬効解析
システムの使用と組み合わせた共焦点観察により、適切な蛍光色素で染色したスフェロイドにおける薬効を評価することができます。
目的
抗がん剤の効能に関するアッセイの大半は、2次元単層として増殖された固定化細胞を使用することに頼ってきました。しかし、これらの2次元単層は、3次元構造の場合のようにがん細胞の本来の複雑な環境を再現することができません。そのため、細胞ベースの研究の生理学的妥当性を高める可能性があるモデルとして、スフェロイドのような3次元細胞培養が注目を集めています。本研究では、細胞イメージング解析システムの使用と組み合わせた共焦点観察によって、スフェロイドにおけるスタウロスポリン(STS)の効能を評価しました。
サンプルの作製
HeLaの細胞懸濁液を、1ウェル当たりの細胞数が500個になるようにPrimeSurface®96Uプレート(住友ベークライト株式会社)に播種しました。細胞培養開始から48時間後に、段階希釈したSTSを各ウェルに添加しました。STSの添加から24時間後に、Hoechst
33342(核染色剤)とヨウ化プロピジウム(PI:死細胞染色剤)を各ウェルに添加しました。
結論
蛍光画像の取得と解析
システムを使用して、Hoechst
33342とPIで染色した上記のスフェロイドの蛍光画像を取得しました。図1※に示すように、STS濃度が上がるにつれて、各ウェルにおける全細胞(青の疑似カラー)に対する死細胞(赤の疑似カラー)の割合が高くなりました。解析ソフトウェアによって得られた核の識別とカウントの結果を使用して、その割合をSTS濃度に対するグラフとして表示することができます(図2、バー:SD、n=8)。これらの結果から、システムを使用することによって、1枚のマイクロプレート上で薬効を簡単に評価できることが分かりました。
図1: STS濃度に依存するスフェロイドの死細胞/全細胞の画像※ |
図2: STS濃度に依存するスフェロイド内の死細胞/全細胞の割合
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PrimeSurfaceは、住友ベークライト株式会社の登録商標です。
Olympusはオリンパス株式会社の登録商標であり、NoviSightおよびInsightful Analysis、Intelligent Answersはオリンパス株式会社の商標です。
※HeLa細胞は医学研究で最も重要な細胞株の一つで、科学の発展に偉大な貢献をしました。しかし、この細胞の元となったヘンリエッタ・ラックス(Henrietta
Lacks)さんの同意が得られていなかった事実を認識しなければなりません。HeLa細胞の使用は、免疫学や、感染症学、癌研究などにおける重要な発見に貢献しましたが、同時に医学における個人情報保護や倫理についての重要な議論も引き起こしました。
ヘンリエッタ・ラックスさんの生涯と現代医学への貢献における詳細は、以下にアクセスしてご覧ください。
http://henriettalacksfoundation.org/
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